竜王山(通称:奥工石山)

更新日:2024年04月15日

(1)「奥工石山」の由来

 本山町北部に位置する標高1,515メートルの奥工石山。飢えに苦しむ平家落人が、「この石が喰えるものならば」と嘆いたことに喰石山が転化したという由来が残っています。

奥工石山にある紅れん石の写真
青空と緑が広がる山頂からの眺めの写真

(2)郷土の森保護林

 奥工石山のうち75ヘクタールの区域を環境保全や生態系観察、学習の場として活用するため、四国森林管理局「嶺北森林管理署」と本山町は、平成22年12月に郷土の森保護林協定を締結しました。

(3)美しい自然の風景

 春にはツツジ類やシャクナゲ、秋には紅葉が楽しめる山として知られ、多くの登山客が訪れています。
 コース内にはブナ、トチノキ、サワグルミ等の広葉樹の大径木がみられ、自然のスケールの大きさに驚かされます。原生林の奈路や、奈路を抜けた後の苔に覆われた岩場など、山頂までさまざまな風景を楽しむことができます。さらに、山頂の手前では、平成29年6月23日に高知県天然記念物に指定された「紅(こう)簾(れん)石(せき)」の大露頭が見られます。
 また、本山町の鳥はコマドリであり、この山には四国一のコマドリの産地として有名だったといわれる歴史があります。

大きく成長した大径木の写真
沢山の緑が広がる奈路の写真

(4)高知県天然記念物に指定された「紅(こう)簾(れん)石(せき)」

 山頂付近に露頭した紅簾石片岩は、東西約500メートル、南北に300メートルの範囲で分布すると推定され、また、標高1,400メートルから1,500メートル間にほぼ水平に分布しているため、層厚は約100メートル程度と推定されています。
 しかし、奥工石山山頂(標高1,515メートル)の珪質片岩も紅簾石を含有しており、これを含めると山頂付近の紅簾石珪質片岩の厚さは100メートルをゆうに超えると考えられ、この奥工石山の紅簾石大露頭部は、風化もほとんど進んでおらず、極めて新鮮な露出が続いており、わが国ではもちろん、世界的にみても屈指の大露頭といえます。
 また、本岩を構成する0.1〜0.2ミリメートルの全ての石英粒はその主軸・副軸・副面が結晶学的に同じ方位に結晶化している極めて稀な結晶片岩で、恐らく、本岩は地下深所(15〜20キロメートル)で、高い圧力と高温の下で変成した結果、このような特殊な結晶配列で固化したと推定されています。ほぼ全ての石英粒が同一方向に晶出している例はこれまでなく、世界でも結晶片岩中でそのような実例は知られていません。
 以上のことから、この奥工石山の貴重な自然を次世代へと継承するため高知県天然記念物への申請を行った結果、平成29年6月23日に指定がされました。

太陽に照らされた大きな紅れん石の写真

(5)登山について

 奥工石山の登山については、下記のリンクからダウンロードできます。

(6)林道などの通行止め・通行規制情報

この記事に関するお問い合わせ先

まちづくり推進課 交流推進班

〒781-3692
高知県長岡郡本山町本山636
電話:0887-76-3916
ファックス:0887-76-2943

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